序章:静かな革命の始まり
「検索エンジンで答えを探す」時代は、もう過去のものになりつつある。いまや、われわれは“AIと旅をする”という選択肢を手にしている。情報の渦のなかで迷子にならずに進むために、私が選んだのは三刀流。
ChatGPT。Gemini。Perplexity。
この三者三様の味わいを、どう旅に活かしていくか。その実践と手応えを記しておこうと思う。
なぜ三刀流になったのか?
正直なところ、最初はChatGPTだけで満足していた。その焚き火のような対話感と、伴走するような文章生成力に、十分な頼もしさを感じていたからだ。
転機は、Google Oneの容量が必要になったことだった。2TBのクラウドを契約したとき、Geminiの有料版が5人まで使えるファミリープランがついてきた。
「せっかくだし、ちょっと使ってみるか」と試してみたのが始まりだった。
するとどうだろう。Geminiには、ChatGPTとは異なる整然とした力があった。プレゼン構成や要約、視野の整理が得意で、まるで一歩引いて全体を俯瞰してくれる参謀のようだった。
焚き火のそばで語るChatGPTに、地図を広げて方向を示すGeminiが加わったとき、私は「旅のかたち」が変わるのを感じた。
そして、もうひとつ。物語が形になってくると、そこに「根拠」が必要になる。
「この数字、ほんとに合ってる?」「この事実、誰が言ってる?」そんな疑問が湧いたときに登場したのが、Perplexity──私は“プレちゃん”と呼んでいる。
このAIは、調査員としての即応力がずば抜けていた。記事の中に出てくる統計や引用の裏をとるとき、黙ってリンク付きのソースを引っ張ってきてくれる。
物語を語る者、構造を整える者、そして証拠を掘り出す者。三者三様の視点が揃ったとき、私の創作は、旅術としての「三刀流」へと進化した。
第一章:ChatGPT──火を囲んで語る知恵袋
ChatGPTは、私にとって「焚き火のそばで話を聞いてくれる古馴染み」のような存在だ。
このAIは、深掘りが得意だ。語りのトーン、物語の構成、文脈の読み取りに長けている。何かを書こうとしたとき、一緒に歩いてくれる感じがする。
しかも、「これはどう思う?」と問いかけると、時に私以上に私らしい答えが返ってくる。それは、自分の中にある言葉を見つけ出してくれるような感覚だ。
この“伴走感”が、ワイルドギースでも、ノマドマでも、旅と記録を育てるうえで欠かせない軸になっている。
第二章:Gemini──整った光のライブラリ
Gemini(私は“ゲミナー”と呼んでいる)は、Googleの知識の泉を背後に持ち、プレゼンが得意な優等生タイプ。
だけど時々、古い情報を最新っぽく語ってしまう“おじさん的勘違い”がある(笑)。Googleという巨大な情報網を持っていながら、そこに「今の息吹」が乗っていないこともあるのだ。
それでも、Geminiの整理力は頼もしい。関連情報を一望できるように並べてくれるし、構成力もある。要約や整理、アイディアの起点にはとても役立つ。
「たたき台としてのGemini」──これが私の使い方だ。
第三章:Perplexity──現場に走る調査員
そして三刀流の中で“証拠を引っこ抜く”役が、Perplexityである。
このAIは、まるで屋台の親父のように即応力がある。リンク付きでソースを明示し、答えを具体的に提示してくれる。検索ワードの選び方によっては、とんでもなく優秀な“調査官”になる。
「これって本当か?」「誰が言ってた?」そんなときに、頼りになるのはこのAIだ。
ChatGPTやGeminiがふわっとした言い回しで回答してくるとき、Perplexityは黙ってネットから根拠を引っこ抜いてくる。それが気持ちいい。
終章:旅術としての三刀流
三刀流に絶対的な優劣はない。だからこそ、それぞれの“味”を活かすことが、これからの旅術となる。
- ChatGPTで問いを育て、
- Geminiで構造を整え、
- Perplexityで証拠を引っこ抜く。
そんな流れが、今はしっくりくる。
AIと旅する時代。情報に埋もれるのではなく、AIと一緒に編みなおす。その旅は、まだ始まったばかりだ。
……それでええ。今はそれで、ええんや。
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