王貞治が756号のホームランを打ったあの日、 ラジオの前で震えながら聞いていた少年の心に、ひとつの火が灯った。
記録の世界へ引き込まれた俺が、やがて見つけたふたつの数字。
──222と、444。
村山実の222勝。 長嶋茂雄の444本塁打。
このふたつが、静かに並んでいた。
目次
■ 背番号ではない、“背負ったもの”の数字
222は、勝つために投げ続けた証。 孤独なマウンドで、勝ち星をひとつずつ積み上げた。
444は、打つことで人々を沸かせた証。 華やかな舞台で、ホームランという光を放ち続けた。
■ 宿命の一球があった
1959年、天覧試合。 ルーキーの村山が、2年目の長嶋に打たれた。
レフトポール際へのサヨナラホームラン。
それでも村山は崩れなかった。
そして長嶋は、ヒーローになった。
■ 数字が語る、もうひとつの物語
222と444は、ただの記録やない。 それぞれの人生そのものや。
華と影。 攻めと守り。 光と粘り。
でもな、どっちが正しいとかやない。 どっちも、必要やったんや。
それがプロ野球という物語を育ててくれたんや。
……それでええ。今はそれで、ええんや。
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