エッセイ– category –
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あなたが生まれる確率と宝くじに当たる確率
なぜ「奇跡の存在」を聞いた後、宝くじを買いたくなるのか 「あなたが今ここに存在する確率は、宝くじに当たるより遥かに低い奇跡である」 こんな話を聞いたことがあるだろう。そして、なぜかその後「じゃあ宝くじも当たるかもしれない」と思ってしまった... -
「つよし」と「たけし」はなぜ印象が違うのか?日本人が音に込める感情
はじめに:ボレーとバレーの奇妙な距離感 ボレーとバレー。同じ意味なのに発音が違う二つの言葉。 バレーボールは「バレー」、サッカーの空中シュートは「ボレー」。どちらも"volley"由来の語でありながら、日本語では完全に別物として定着している。この... -
柔軟さに固執するという矛盾
変化を迫られる瞬間 ある時期まで、自分は「決められた形」に安心して身をゆだねていた。見た目や機能が整ったツールを使えば、そこにすべてが収まると信じていたからだ。 けれど時代が進むにつれて、それでは窮屈に感じるようになった。表現の自由度や使... -
noteの告知、それは「新しい収益モデルの創出と喪失」かもしれない
noteの一通が、時代の転換を知らせていた スマホに飛び込んできた、noteからの1通のメール。 「AI事業者へのコンテンツ提供を開始します。収益還元もあります。」 ふ〜ん。 最初はそんな温度で読んでた。 いつもの機能追加の延長やろ、と。 でも、何か引っ... -
日銀が生成AI!?友人から届いた速報メールがアツすぎた
ある日の夕方、突然スマートフォンに届いた一通のスクリーンショット。送り主は、いつもどこか面白い情報を拾ってくる、いわば“ニュースマイスター”のような友人だった。 そこに写っていたのは、思わず二度見してしまうような見出しだった。 【特報】日銀... -
コモンズ館という名の「出会いの余白」ーEXPO2025
はじまりは、なんとなく足を向けただけやった あてもなく歩いてたら、白くて四角い建物が見えてきた。「COMMONS」とだけ書かれた看板。派手さはない。呼び込みもない。けど、なんやろな。そこに足を向ける人たちの背中を見て、ふと、入ってみたくなった。 ... -
AIにおける境界の狭間
その言葉は使えません その言葉は使えません その時、画面に表示された「その言葉は使えません」という一文に、自分は戸惑いを覚えた。ごく自然な流れで使ったはずの言葉が、AIとの対話では「不適切」と判断されたのだ。 実社会で生活していく上では特に気... -
その場所を、仕事場に変えるということ
あの頃は、まだ"どこでも仕事ができる"なんて、夢みたいな話だった。 1990年代の終わり、東京駅の丸の内側。人の流れが途切れることのないあの街角で、一台のノートパソコンをそっと開いていた。 机代わりは、公衆電話の上である。 モスグリーンの筐体に、... -
222と444──数字に宿るもの
王貞治が756号のホームランを打ったあの日、 ラジオの前で震えながら聞いていた少年の心に、ひとつの火が灯った。 記録の世界へ引き込まれた俺が、やがて見つけたふたつの数字。 ──222と、444。 村山実の222勝。 長嶋茂雄の444本塁打。 このふたつが、静か... -
「ま、ええか」と黄色いハンカチ
Amazonプライムで『幸せの黄色いハンカチ』を観た。きっかけは、陸別の道の駅で「ここでロケしてたんやで」という表示を見かけたこと。 たまたま旅の途中にその風景に触れ、何かが引っかかった。最終日、夕張に寄る予定だったこともあり、今観るしかないや...