理解じゃなくて、把握でええ─判断しない強さ、受け取る覚悟

空を見上げるクマ

いつからか、「理解せなあかん」と思い込んでた。 わからんままではあかん、ってな。
人の言動、空気の流れ、自分の気持ち──
全部ちゃんと読み取って、正しく受け止めて、次の一手を打たなって。

でも最近、ほんの少しずつ変わってきた。

ほんまはな、理解なんかせんでも、ええんかもしれへん。 ただ、「ああ、今こういうことが起きてるな」って、
把握してるだけで十分な場面がようけある。

理解は“完了形”や。 「わかった」と思った瞬間に、心が止まることがある。 でも把握は、“進行形”や。 今見てる、今感じてる、今考えてる。

そのまま進んでいける。

比べない。決めつけない。裁かない。 ただ、そこにあることを見つめる。 相手がそうしてる、そのままを受け取る。

「なんで?」と思ったときも、 「そうなんやな」って、いったん受け止めてみる。 それだけで、心の中の波風がスッとおさまることもある。

これは逃げでもあきらめでもない。 ただ、今起きてることに目を開いている状態や。

ほんまは怒ってる。 ほんまは納得いってへん。 でも「今、自分は怒ってるんやな」って把握するだけで、 反射的にぶつけることが減ってくる。

把握には、余白がある。 この余白が、人との間にやさしさを残す。 自分に対しても、ちょっとした安心を与える。

理解せんでもええ。 完璧にわからんでもええ。 ただ、今ここにあるものを、よう見といたらええ。

……それでええ。
わからんままで、ちゃんと見ようとしてる。
今はそれで、ええんや。


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この記事を書いた人

銀行員、テレビのAD、スポーツ用品の並行輸入など、さまざまな職を経験してきましたが、1995年11月からWeb業界に転身し、今ではWeb制作を中心に活動しています。

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